学習ガイド /

伝熱:並列経路では熱回路も組み替える

熱抵抗図は何が共通かを表す。直列では熱流束、並列では温度差が共通である。熱橋を入れたら回路図から作り直そう。

科目・テーマ: 伝熱と物質移動

学習順路・例題の編集責任:University Reading List編集プロジェクト。 編集と選定の方法 · 出典確認日:

このページの目次

対象と編集責任

流体膜、接触抵抗を含む定常一次元熱伝導と独立二列の熱橋近似。無料Lienhard、広範なBergman、モデル構成と計算のNellis・Kleinを比較。架空の壁であり実測性能ではない。

出発点を選ぶ

無料の工学課程が必要

初等熱力学・流体力学の後にLienhard。

熱と物質移動の広い参考書

機構と工学問題にはBergmanら。

モデル構成と計算を重視

NellisとKleinで式を作り、ソフトと独立に確認。

三冊を比較する

A Heat Transfer Textbook(伝熱工学教科書)

John H. Lienhard V; John H. Lienhard IV · 版: 6 · 2024

無料の主教材

選ぶ場面
エネルギー収支、単位、基礎流体力学が使える。
別の教材が適する場面
無料なら前提知識も不要だと考える。
読む範囲
熱抵抗、総括伝熱係数、定常伝導。
限界と注意点
個人・非営利教育用の無料許諾は無制限再利用ではない。物理モデルは自分で正当化する。

選ぶ前に試す

二流体膜、二層、接触を面積当たり抵抗で足す。

確認すること: すべてm² K/W、膜1/h、層L/k。

公式の無料教材 ↗

書誌情報と入手方法 →

熱・物質移動の基礎

Theodore L. Bergman; Adrienne S. Lavine; Frank P. Incropera; David P. DeWitt · 版: 8 · 2018

広い工学参考

選ぶ場面
伝導を対流・放射・物質移動へ接続したい。
別の教材が適する場面
壁伝導だけの小冊子が必要。
読む範囲
第8版の一次元定常伝導と対流境界抵抗。
限界と注意点
広さは後で役立つが、K/Wとm² K/Wを区別する。

選ぶ前に試す

q″=50、R″c=0.05で接触温度差を求める。

確認すること: 2.5 K、接触の両側は別温度。

書誌情報と入手方法 →

Introduction to Engineering Heat Transfer(工学伝熱入門)

G. F. Nellis; S. A. Klein · 2021

モデルと計算

選ぶ場面
導出後の数値実装を学びたい。
別の教材が適する場面
ソフトに回路の選択まで任せたい。
読む範囲
One-Dimensional Steady-State Conductionと導入モデル化。
限界と注意点
数値解は誤った直列並列接続を正当化しない。ライセンスも別。

選ぶ前に試す

共通ΔTの二面積で何を平均するか。

確認すること: 1/R″を面積重み付きで足す。

書誌情報と入手方法 →

準備を確認する

熱量率と熱流束を分けるか

QはW、q″=Q/AはW/m²、q″=ΔT/R″。

接触で温度は連続か

有限抵抗ならΔTc=q″R″c。保存されるのは熱流束。

並列では何が変わるか

周囲温度差は同じだが各列の熱流束は違い、熱量率を足す。

六つのステップで学ぶ

自己記録用のチェックであり、評価ではありません。チェック情報は当サイトに送信されません。

  1. 近似を宣言

    読む範囲: エネルギー収支。

    取り組む課題: 定常、一定物性、発熱なし、横拡散・放射なしを書く。

    確認すること: 各列で一定熱流束。

  2. 直列回路を作る

    読む範囲: 熱抵抗。

    取り組む課題: 各面積抵抗を単位付き表にする。

    確認すること: 合計0.60。

  3. 熱流を求める

    読む範囲: 一次元伝導。

    取り組む課題: q″とQを別計算。

    確認すること: 50 W/m²と100 W。

  4. 温度を復元

    読む範囲: 接触抵抗。

    取り組む課題: 高温空気から順に降下を計算。

    確認すること: 総30 K、接触2.5 K。

  5. 熱橋を導入

    読む範囲: 並列回路と追試。

    取り組む課題: 二列のコンダクタンスを面積で重み付け。

    確認すること: 橋抵抗0.42、Q=760/7 W。

  6. 近道を監査

    読む範囲: 二回路図。

    取り組む課題: 抵抗平均の予測と誤りを説明。

    確認すること: 並列は等温度差であり等流束でない。

解答付きの例題

二流体膜と接触温度差

A=2 m²、空気30°Cと0°C、hin=10、hout=20 W/(m² K)。層1はL1=0.10 m,k1=0.50 W/(m K)、層2はL2=0.05 m,k2=0.25 W/(m K)、間のR″c=0.05 m² K/W。熱流束、熱量率、各面温度を求めよ。

前提

定常一次元、一定物性、発熱・放射・横拡散なし。接触は厚さゼロで有限抵抗。温度差は°CでもKでも同値。

  1. R″=0.10+0.20+0.05+0.20+0.05=0.60 m² K/W。q″=30/0.60=50 W/m²、Q=100 W。
  2. 内膜降下5 Kで壁25°C、層1降下10 Kで接触前15°C。
  3. 接触降下2.5 Kで後12.5°C、層2降下10 Kで外壁2.5°C、外膜降下2.5 Kで空気0°C。

解答と解釈

q″=50 W/m²、Q=100 W。順に25,15,12.5,2.5°C。

結果を検証する

降下合計30 K。全直列要素で流束が等しい。接触両側を同温度にすると与えた抵抗を捨てる。

前提を変えて考える

熱橋の並列経路

面積20%だけ層2のkを2.5 W/(m K)へ変更。他条件は同じ。横方向移動なしの独立一次元列として全熱量率を求めよ。

  1. 通常面積1.6 m²はR″=0.60。橋面積0.4 m²はR″b=0.10+0.20+0.05+0.02+0.05=0.42。
  2. 橋流束30/0.42=500/7 W/m²。Q=1.6·50+0.4·500/7=760/7 W。
  3. 面積平均コンダクタンス0.8/0.60+0.2/0.42=38/21。抵抗平均0.564を使うと誤って約106.383 W。

解答と解釈

独立列近似でQ≈108.571 W。

結果を検証する

橋なし100 Wより大きく、全面橋より小さい。現実の横拡散には別モデルが要る。

よくある誤り

抵抗の面積を混同

単位と予測が変わる。

接触温度を一つにする

有限接触抵抗は温度差を許す。

並列で抵抗を平均

共通ΔTなのでコンダクタンスを面積で足す。

次に進む前に

  • 単位の合う熱回路を作る。
  • 接触両側温度を復元する。
  • 熱橋とその近似を説明する。

出典と版の確認

出典確認日:

提案する学習活動であり、公式の課題や全巻通読の主張ではありません。

編集と選定の方法 →